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医学的絶食療法(断食・ファースティング)の効果の現れる理由
医学的絶食療法(断食)の医学的理由

ファースティングで効果が現れる理由は、大きく分けて3つあります。

1.減量による効果

2.減塩による効果

3.心身相関が高まることによる効果

 ファースティングは、当然のことですが、最強の減量の方法です。また、ファースティング中は、ほとんど無塩になりますから、これも最強の減塩法です。この2つの強力な効果は、よく理解していただけると思います。

 問題は、3つ目の心身相関です。現代の治療医学は、高度に成長した医学ですが、病気になってからの医学です。治療医学では、健康医学はできません。健康 医学は、心身医学でなければなりません。そして、今後の世界では、心身医学が中心になっていくと思われますが、その心身医学の素晴らしい方法が、実は、 ファースティングなのです。

 このことを、理解していただくには、かなり長い解説が必要になります。このホームページをお読みいただいた後、「詳しい解説」をお読んでいただければ幸いです。

心身相関を高める

医学的絶食療法(断食・ファースティング)の効果は、心身相関を高めることによるものです。医学的絶食療法(断食・ファースティング)は、心身相関を高める最も強力な方法です。

 医学的絶食療法(断食・ファースティング)中は、自分の体に蓄えられた糖分、蛋白質、脂肪を分解してエネルギーに変えて生きていきます。

 このために、自律神経系、内分泌ホルモン系が強力に活動しなくてはなりません。史上最強のレベルでの身体の活性化と言って良いでしょう。

 一方、頭の中は、食物のことで一杯になります。エネルギーは足りているので空腹感はないのですが、頭は会社のことも、家族のことも、過去のことも、自分の性格まで忘れて、食べ物の事ばかり考えています。無にはならなくても無に近くなります。

 そのうちハッと気づくと、食べ物のことも忘れ、うきうきとした爽やかな自由を感じています。心身相関が極めて高まった状態です。このように、医学的絶食療法(断食・ファースティング)の本当のメカニズムと価値は、心身相関を学んで初めて理解できるものなのです。

心身相関を高める為には
1.心身相関

そこで、心身相関についての説明をします。人間の身体は、およそ60兆個ともいわれる細胞でできています。一個の受精卵から、数え切れないほどの細胞に なるのです。これほどの細胞がバラバラに動いては、とても生命を維持できません。整然と機能するために、いろいろなシステムが働いています。

 人間には生命を維持するたのシステムがたくさんありますが、そのなかでも特に重要なものを3つあげます。

 その一つが自律神経系です。これは血圧、心臓、体温、呼吸、胃腸系をコントロールします。

 それから内分泌ホルモン系、これは甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、性ホルモン、成長ホルモンそれから尿量をコントロールするホルモンなどが含まれます。

 最後に免疫系、これは風邪にかからせたり、傷口を化膿させるウイルスや細菌と戦う働きをコントロールします。さらに最近は、がんとの関係があるのではないかということで特に注目されています。以上をまとめて生命の維持システムと呼びます。

 この維持システムの上に本能がのっているのが動物です。さらに精神や心がのっているのが人間で、精神や心と生命維持システムは完全に一体となって動いています。このことを心身相関といいます。一刻一刻、今も次ぎの瞬間も、全く完全に一体となって動いています。

 カーッとしたら、血圧が上がる、脈拍が速くなる、身体が熱くなります。「これから、さあ自己紹介をして頂きましょう」と言われると、ドキッとします。直 接身体に衝撃を受けたのではなく、カーッとしただけで、あるいはこれから自己紹介をしないといけないと頭の中で思っただけで、このように心理的なものがす ぐ自律神経系を伝って身体に反映されます。

 ですから、ストレスがあると血圧が上がり、心臓では不整脈や心筋梗塞が起きる、あるいは喘息が起きる、胃や十二指腸に潰瘍ができる、過敏性大腸症候群が起きます。

 ストレスはまた、内分泌ホルモン系も撹乱します。バセドウ病があれば 悪化する。副腎も刺激する。ここからは自律神経系とともに血糖を上げるホルモンが出るので、糖尿病の方は糖尿病が悪化する。また不安が続くと女の方は性ホ ルモンにも影響がおき、生理が狂ったり、無くなったりする。というわけで、自律神経系や内分泌ホルモン系と心は完全に一体となって動いています。

 それから心と免疫系も関連しています。特に最近、「精神・神経・免疫学」という長い名前の学問ができ、大変注目を集めている分野です。色々と興味深い事実が、特にがんとの関係で出てきています。大きな悲しみがあった後にはがんになりやすいのではないかと言われています。

 ある研究者は人生の最大の悲しみは、長年連れ添った連れ合いに先立たれることだと考え、残された人のその後を調べてみると、がんが多く発生していたという研究を発表しています。

 性格との関係では、腹が立つのをじいっと我慢している人、こういう方にがんが多いのではないかと言われています。もし本当だとすると、こういう方は損ですね。我慢はする、がんにはなるというのでは。

 では発散している人はどうかというと、自分は健康で、周りにがんの種をまき散らすことになりますから、不公平な感じがします。あるいはがんになっても積極的に生きた方は、その後の経過がいいとか稀には自然治癒があったとかいうことも言われています。

 まだデータが少ないので、断定的なことを言うにはもっと研究されることが必要ですが、心と免疫系も一体となっているという事実が段々出てきています。

 以上のように、人間は心身一体として生きているというのが事実であって、心と身体をバラバラに考えるということの方が、むしろ極端で事実に反する考え方です。

 ですから、ストレスがかかると、自律神経系や、内分泌ホルモン系や、免疫系の上から爆弾を落としているようなものなのです。
いかに、栄養を考え運動をしていても、ストレスがあれば健康にはなれません。昼間はもちろんのことですが、夜も夢を見るので、日夜を通して爆弾が降ってきます。

2.生活習慣

 さらに、ストレスはもう一つの経路を通して健康を破壊します。皆さんは、ストレスを解消するためにどうしますか? ストレスは解消しないと、溜まるばかりでは生きていけません。そのストレス解消の手段として、過食になるのではないですか? お酒を飲むのではないですか? タバコが必要になるのではないですか?

 そうです、過食とお酒とタバコは、ストレス解消の有力な方法なのです。ストレスが強くなればなるほど、過食とお酒とタバコが必要になるのです。だから、簡単にはやめられないのではありませんか?

 ストレスを解決せずに、過食とお酒とタバコを止めようとしても、それは無理というものでしょう。もう食べてはいけない、もうお酒を飲んではならないとい うこと自体が強いストレスになりますから、元のストレスに、これらのストレスが加算されることになります。ストレスが増える結果になるだけです。 それはまさに「苦しみの医学」ではありませんか?

 このストレスの解消のため、さらに過食とお酒とタバコが必要になり、悪循環で生活習慣の乱れはますます強まっていきます。こんな「苦しみの医学」をしている限り、成果が上がらないのは当然のことでしょう。

 ところで、同じようにストレスがかかって、心身相関が乱れ、生活習慣が悪化しても、出現する病気や症状は一人一人違います。生活習慣病とは、高血圧、糖 尿病、痛風、高脂血症、アルコール性肝障害などで、最終的には、がん・心筋梗塞・脳卒中に終わるのですが、どの病気が出るかは、一人一人の遺伝因子が異なりますので、ある人は高血圧になり、他の人は糖尿病になるというように様々です。

 さらに、年齢がもう一つの大きな要素になります。遺伝因子があっても、若いときは発病しません。肥満だけだったり、肩凝りや便秘や自律神経系失調症だけということになります。

 このように、ストレスは心身相関を通して直接に、身体の代謝をバラバラにすることと、生活習慣を乱すことにより、健康を崩壊させるという、二つの経路により病気や様々な症状を引き起こします。

 断食(ファースティング)は、「身体を活性化し、同時に頭をカラッポ」にすることにより、心身相関と生活習慣を非常に良い状態にします。これが、医学的断食療法(ファースティング)の身体的、精神的な効果となって現れているのです。

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