公的断食施設 五色県民健康村健康道場

ミニ・ファースティング(半日断食・プチ断食)を
するときの注意点

◆怖いのは不整脈

  ファースティングの医学管理の中で最も注意をしているのが心室性不整脈です。

  ファースティング中は、身体の脂肪を分解し血液中に遊離脂肪酸が増えてきます。自律神経系も興奮しています。さらに、塩分も取りませんので、尿中から塩分が失われます。この3つは、心室性不整脈を最もおこしやすい状態です。

  ファースティング前に、不整脈がないからと言って安心はできません。ファースティング中に突然発生することは決してまれではないからです。

  心臓に異常がなく、1分間に5個程度までの心室性不整脈は無害であると考えられています。しかし、この場合もファースティングをすれば、多発してくる場合が多いので、ファースティングの対象にはしていません。不整脈のある方は、ミニ・ファースティングもしないでください。


◆ファースティングのときは運動は禁止

  ファースティング中に運動すると、さらに不整脈の発生の危険が増えます。ミニ・ファースティングのときも運動は禁止と思っておいてください。するとしても、軽い散歩程度にしてください。早足ではなく、ぶらぶらとしながらのゆっくりとした散歩です。運動というよりも気分転換と考えてください。

  特に激しい運動は決してしてはなりません。「激しければ激しいほど効果が上がるだろう」と思って無茶をしようとする人がありますが、これは死の危険があります。

  また、ゴルフのパターなどは、運動としては軽いものですが、精神に緊張しますので不整脈が発生しやすいですのでしないでください。


◆消化管出血

  もう一つファースティングで怖いのは、胃や十二指腸からの出血です。

  理由は、ファースティングは生体にとって強いストレスです。ストレス潰瘍ではないかと考えています。

  ですから、ミニ・ファースティングをするときも、腹痛のあるときは決してしないでください。特に空腹時に腹痛がある時は、胃十二指腸潰瘍の疑いもありますので、病院で検査を受けてください。


◆ミニ・ファースティングは1食か2食にとどめる

  絶食するのは朝食か昼食、あるいはその両方が良いと思います。夕食は辛いと思います。女の方だったら家族の食事の支度をしなければなりません。

  夕食は準備も大変ですから、「なぜ私だけが空腹で食事の支度をしないといけないのか」と思うと腹が立ってきたり、男性も「こんなに仕事で頑張っているのに、夕食も食べられないのか」と思うと情けなくなり、かえってストレスになります。

  「私は体力には自信がありますので、自宅でも3日間程度はできるのではありませんか」という質問をよく受けます。しかし、ファースティングの身体中の変化は、最初が最も強く不安定です。不整脈の発生も起こりかねません。決してあなどってしないでください。

  1食か2食のミニ・ファースティングであれば、復食は特に考える必要はありません。その意味からも、1,2食のミニ・ファースティングがお勧めです。


◆脱水に注意

  それから十分水を飲んでください。水を飲まないと脱水になります。一食のミニ・ファースティングの時も、700cc程度は飲んで下さい。

  普段は、ご飯やおかずに水分が含まれています。お茶やコーヒーもいれて、1日に2000ccほどの水分を摂取しています。水は、体の老廃物を溶かして尿中に排泄するのに必要です。それと、ファースティングの影響で、最初は尿量が増えて脱水になります。

  脱水になれば、動脈硬化の進んでいる人は、脳梗塞や心筋梗塞を起こす危険があります。十分の水分補給をしてください。

  最初は、尿中からは水を伴ってかなりの量の食塩がでていきます。つまり、最初の数日はどんなに水分の補給をしても、脱水傾向になります。

  そのとき、水分の補給もしなければ、著しく脱水状態になるのは当然です。このことを十分頭に入れておいてください。「体重が減った」と喜ばないでください。まして、「水分をとらなければ体重の減少も大きい」と意図的に水分をとらないのは無謀なことです。

  また、ミニ・ファースティングをしている時は、サウナへは入らないでください。汗をかけば、ますます脱水します。運動をしても消費カロリーはごくわずかです。なのにサウナで座っていて体重が減るはずはありません。減った体重は脱水によるものです。

  体重の測定法も間違っている方が多いので付け加えておきます。正しい体重の測定法は、朝起きて水や食事をとらず、大便や小便も出した後で、体重計に載ってください。

  コップ1杯は180ccほどですから、1杯の水を飲むと180g重くなります。膀胱に一杯尿がたまると500ccほどになりますから、おしっこをためたまま体重計に載ると、その分重いのは当たり前です。


◆カロリー補給をする

  ファースティングにはいると、最初に糖分が使われます。ただ、この糖分は半日分しかないので、1食か2食絶食したときに、軽い低血糖発作がきます。空腹になり、力が抜けて、冷や汗がでて、倒れそうになる。そのような症状です。これが皆さんが日常生活で体験している飢餓感です。

  しかし、この時期が過ぎるとたんぱく質や脂肪を使って生きていきますので、エネルギーはたくさんあります。もはや空腹感や脱力感はなくなります。ですから、医学管理をしたファースティングはつらくないのです。

  ただ、ミニ・ファースティングは、一番辛い低血糖の起こる時期だけをすることになるので注意が必要です。ミニ・ファースティングを水だけでするのと、少しでもカロリーや塩分を補給するのとでは、つらさが全く違います。

  つらさを経験するためにするのではなく、原点に返る、「私は生きている」という実感を感じるのが目的です。さらに、毎週するには、安全で少しでも楽にできる方法でなければなりません。牛乳や豆乳、フルーツジュースでカロリー補給をしてください。


◆意識的に行う

  大切なことがあります。これはミニ・ファースティングをするときの気持ちの面です。それは「今、ミニ・ファースティングをしているんだ」ということを自分に言い聞かせることです。

  これが抜けると殆ど効果がありません。忙しくて一食、二食抜くことはよくありますが、それと同じことになりほとんど精神的な効果がでなくなります。

  「今やっているんだ、やっているんだ」と自分に言い聞かせると、ぐーっと身体が熱くなってくきます。緊張感が出てきます。ミニ・ファースティングの効果がでるかどうかは、実にこの点にかかっていると言っても過言ではありません。

  そのとき「今、ミニ・ファースティングをしているのだ」と意識をすれば、頭は食べ物のことで一杯になります。

  少し空腹になれば、体は活性化しますし、ストレスも消えます。人生において何が大切なのかがわかります。「地位も名誉もダイヤモンドも食べられません」ということが体得できます。

  豊かな時代になったのに自分を縛っていたものがよく見えます。ビスケット1枚あれば幸せになれるということが分かります。

  それは、道徳でもやせ我慢でもなく実感です。歓びです。自由と開放感が訪れます。「何もないのに、私は素晴らしい」という発見と体験です。

  ミニ・ファースティング中は、いろいろなことを考えず、できるだけ頭をカラッポにしてください。心身相関を考えていただければ分かるはずです。

  ミニ・ファースティングで身体的に活性しても、頭の中にストレスがあると自律神経系、内分泌ホルモン系、免疫系がバラバラになり効果がでません。公園へ行って魚に餌をやるなり、花を見たりと、日常生活的でないことをしましょう。

  外へでるのが嫌なら、家の中でも結構ですし、あまり日常生活でないことにこだわるものストレスですから、テレビを見るのも良いでしょうが、とにかくのんびりと暮らしてください。

  ミニ・ファースティングをする日は、休みの日がいいです。休日の朝食を抜くのが一番楽です。もう少し長くというのなら、昼食も抜いて、夕食から食べるという方法です。わずか1食か2食絶食しただけでも、夕食の美味しさは感動的です。大げさではなくて生きている感動と歓びを味わえます。

  ミニ・ファースティングは休日にするというのは、安全の面からも効果の面からも大切です。

 1、2食絶食をすると血糖がさがります。血糖が少し下がると難しい計算や判断はしにくくなります。いろいろなことを考えるのがおっくうになります。

  過去の思い出や将来の不安、人間関係のストレスを忘れさせてくれる効果を持ちます。理性的な面が落ちる反面、感性は冴えてきて、鳥の鳴き声や草花の美しさに感動できます。

  この血糖の低下は、運動神経にも影響を与えます。反射運動が少し低下します。ハンドル操作や判断が遅れますので、ミニ・ファースティングをしているときは、自動車の運転はしないでください。

  効果の面からも、休日がお勧めです。せっかくミニ・ファースティングをしているのに、仕事をしていては頭は仕事で一杯です。開放感も爽快感も来ません。ただの我慢大会で終わります。

  ゆっくりとした気持ちで生きる日にしてください。日頃は忘れていた感性の世界を感じやすくなっていますので、いろいろなことを理解するのではなく、感じ取る日にしてください。

  「自分は生きている」という実感を感じることが大切です。ミニ・ファースティングの目的は、「自分体験」、「原点体験」をすることです。


◆減量のためにはしない

  ミニ・ファースティングは、生きている歓びのためにしてください。決して、減量のためにはしないで下さい。一食、二食抜いても、減量には役に立ちません。

  単純計算でおなかの周りに付いた脂肪1kgは、約7000kcalです。1食か2食の絶食をしても、せいぜい1000〜1500kcal減らしただけです。体重が減少するはずはないのです。

  ミニ・ファースティングでも体重はかなり減少します。しかし、それは先ほど説明したように、減った体重の殆どは脱水です。


◆生きている感動と歓びのためにする

  精神的な効果を目的に行えば、短くても効果があります。たとえ1食か2食のミニ・ファースティングも、精神的効果は期待できます。

  ただ、精神的効果というと厳しい精神修養をして強い人間になるというイメージがありますが、それでは生き生きとした生命を否定して石や枯れ木になろうとするようなものです。

  私たちは大きな生命の世界の中で生きています。生命を否定して何があるというのでしょうか。石や枯れ木にならないでください。

  ファースティングの目的は、それとは180度違います。「何もないのに、私は素晴らしい」という体験です。生き生きとした自分を感じ、あふれる充実感と強力な生命力を高めるためです。歓びと感動のためにする、くれぐれもこの点を間違えないでください。


◆毎週する

 1週間に1度、ミニ・ファースティングをしましょう。結果が良くても悪くても関係なしに、繰り返しましょう。くり返すことが重要です。くり返しているうちに、なんとなく充実感と生命力の高まりを感じる日があります。「あっ、これだな」と分かると一歩前進です。「あっ、これだな」を積み上げていくことです。

  行う曜日は、日曜日とか決めておいたほうが効果的です。1週間にリズムがでてきます。曜日を決めるということも、意識的に行うことに入ります。1週間に程良い緊張が生まれます。

  ただ、「日曜日はすべてゴルフだ。あいている日は....。あいている日はない」という方は、是非一度考えてください。ゴルフのために人生があるのか、本当の自分を生きるために人生があるのかを。


◆タバコは吸わない

  タバコは神経系に悪影響を与えます。ミニ・ファースティング中にタバコを吸うと、不整脈を誘発したり、胃十二指腸潰瘍を引き起こすおそれがありますので決して吸わないでください。

  本式のファースティングでは、簡単に禁煙ができます。世界で一番簡単で楽な禁煙方法だと思います。止めるというよりは、タバコを忘れるという感じです。 

  ミニ・ファースティングも、同じように禁煙の良い方法になります。タバコがほしくなったら食べ物のことを考えてください。食べ物への気持ちのほうが遙かに強いですので、タバコを忘れられます。


◆薬を飲んでいる人はどうするか

  1.お粥による低カロリー食にする
  2.健康道場に体験入所する

  薬を飲んでおられる方は、ミニ・ファースティングの対象にはなりません。お粥による低カロリー食をお勧めします。

  ただし、この場合も一度健康道場に体験入所して、自分にあった方法を理解することをお勧めします。「1食か2食、しかもお粥ではないか。そんなに神経質にならなくても」と思われるでしょう。しかし、健康医学とは、そうしたものなのです。

  ここでは、一般的な注意点のみ述べます。糖尿病で血糖降下剤を飲んでいる人は特に注意をしてください。お粥による低カロリー食でも血糖は低下します。

  その上に血糖降下剤を飲めば低血糖発作を起こします。最悪の場合は意識がなくなり生命の危険性もあります。高血糖よりも低血糖のほうが危険ですので血糖降下剤は中止してください。 

  一方、高血圧の方は、降圧剤を中止すると血圧が上がりますので、降圧剤は中止できません。お粥による低カロリー食は、食事の量が減り、塩分の摂取も減ります。血圧も低下しやすくなります。上がるのも困りますが下がりすぎるのも困ります。

  そのため、高血圧の強さと服用している薬の種類によって判断しなければなりません。

  これに対して、尿酸やコレステロールを下げる薬は急には影響しませんので服用して良いでしょう。その他にも、さまざまな病気と薬がありますので、やはり一度健康道場に入所されるのが良いと思います。

  なお、ファースティングによりGOTとGPTが一過性に少し上昇します。復食後は元に戻るので健康者であれば心配はいりませんが、B型肝炎やC型肝炎がある場合はミニ・ファースティングはしてはなりません。ミニ・ファースティングが行って良いのは脂肪肝、アルコール性肝障害の場合です。
 

◆風邪で発熱しているときはしない

  風邪で発熱しているときは、どんどん汗で水分が失われています。このときミニ・ファースティングをするとさらに水分が失われて危険です。

  風邪をひいたときには、梅干しやかつお節にお粥を食べるというのが日本では一般的ですが、よくできた処方だと思います。さらに、発熱は風邪とはかぎりません。発熱が初発症状だという病気はたくさんあります。熱のある状態はミニ・ファースティングの適応ではありません。


◆体力のない方はお粥で

  薬を飲んでいる方の他に、体力のない方もミニ・ファースティングが適当ではありません。ただ、一口に体力といっても難しいです。目安は、二階まで駆け足で登れる程度といってもいいでしょう。ゆっくり歩いては登れるが駆け足は無理だという方はお粥による低カロリー食にしてください。

  ミニ・ファースティングは多少とも筋肉を失う方法です。体力のある方はすぐに取り戻せるので問題はありませんが、体力のない方はあえて無理をする必要はありません。


◆何歳までなら可能か

  年齢も難しいです。同じ年齢でも、身体の状態は大きく異なるのが普通です。先ほどの二階まで駆け足で登れるかというのが、ひとつの目安になるでしょう。しかし、どんなに元気でも60歳を越せばお粥による低カロリー食が安全です。

  特に心電図などに変化がなくても、ある程度の動脈硬化があると考えておかなくてはなりません。動脈硬化がある人が脱水になれば、脳梗塞、心筋梗塞が起こるおそれがあります。ミニ・ファースティングのように脱水を起こしやすい方法は避けるべきでしょう。


◆何歳以上なら可能か

  今度は逆に年少者の場合です。何歳になれば可能かという問題ですが、中学以上なら良いと思いますが、ここで何のためにするのかを考えてください。現代の若い世代が、生きてる実感や歓びを失っていることは事実だと思います。

  その結果、過食症や自律神経失調症、無気力・無感動などに陥っている方が少なくないように思います。このような若者にファースティングは、最適かもしれません。

  ただ、ミニ・ファースティングは自分でしようと思わない限り効果がありません。親が心配して無理矢理勧めても、苦痛なだけで逆効果です。お父さん、お母さんが、自分のためにまずしてみてください。

  親が本当の自分を生きる感動と歓びを取り戻せたら、子供は自然と変わります。それ以外に有効な解決法はないと私は思っています。決して無理強いしないでください。


◆復食

  1食や2食のミニ・ファースティングですので、復食は自由に食べていただいて結構です。ただ、柔らかで塩分控えめの日本食がいいです。