公的断食施設 五色県民健康村健康道場


五色県民健康村健康道場長
医学博士 笹田信五
ー 知識が間違ってはいませんか? ー

  この9か条は、「リバウンドさせない心身医学講座」の一部です。知識は重要ですが、知識だけでは、リバウンドを防ぐことは到底できません。

  9か条を読まれた上で、五色県民健康村健康道場のホームページで公開している「リバウンドさせない心身医学講座」の全体を学んでいただければと思います。


★ダイエットに成功するための9カ条

  ダイエットも含めて、生活習慣の改善に失敗するのは、知識の問題か、実行力の問題か、と2つに分けて考える必要があります。
  肝硬変や腎不全があるわけではありませんから、健康者の生活習慣の改善のための知識は、ごく簡単なものです。

  肥満の人は、摂取カロリーを減らすこと、塩分を多くとっている人は、塩分も減らすこと、タバコはきっぱり禁煙すること、お酒はたしなむ程度にすること、適度な運動をすること、精神的には機嫌よく生きること、この程度のことを確実に実行できれば、誰だって、健康で長生きできるでしょう。
  問題は、分かっているけれども、実行できないことです。ですから、健康医学では、実行力をいかに高めるかということに力点を置かなければならないというのが、私の「リバウンドさせない心身医学講座」の主張です。

  ただ、生活習慣改善の知識は簡単なものだといっても、その知識すら間違っている方が多いのには、驚かされます。ですから、まず、ダイエットにのための知識について、確認してください。
  まず第一には、正確な知識をもつということです。これは次の9カ条です。それを一つ一つ説明していきます。


  ダイエットに成功するための9カ条

  1.関所がくる
 2.簡単には減量できない
 3.食品のカロリーを覚える
 4.運動によるエネルギー消費はきわめて少ない
 5.毎日必ず体重を測定する
 6.個人差が大きいことを知る
 7.メデイカル・チェックを受ける
 8.きっかけを沢山つくる

 9.本当の解決方法を知る

 
 1.関所が必ず来る

  ダイエットに失敗する最も大きな原因は、関所です。最初は簡単に体重が落ちます。しかし、その後は2倍、3倍もの努力をしても、どうしても体重が落ちない時期が来きます。このような関所があること理解していないと、気分が滅入って嫌になります。

  どのような方法でも、最初は簡単に体重が落ちる理由の一つは、最初は食べている量が非常に多いからです。3000Kcalも4000Kcalも食べている人ですと、少し減らすことぐらい平気です。ケーキを毎日4個も食べていた人が、2個に減らすことぐらいは簡単です。だから最初は簡単に落ちます。

  しかし、成功するとだんだん食べる量が少なくなり、それ以上減らすのは非常に難しいですね。1800Kcalになってさらに200Kcal減らす、1600Kcalになってさらに200Kcal減らす。これはもう大変難しい。

  一方、身体はだんだん、少ないカロリーに適応します。身体というのは実に素晴らしい適応能力をもっています。さすがに、飢餓の時代を生き延びてきただけのことはあります。

  このようにして、食べる量はもう減らせない。一方、身体は低カロリーに適応する。自分としては、精一杯頑張っているのにどうしても落ちないという関所に突き当たることになります。

  最初の時は簡単に体重が落ちるので、カロリー計算もあまり必要がないくらいです。この時期はどんな方法でもOKです。医学的に見て随分変だなと思うようなダイエットが、ベストセラーになったりしています。

  おかしいのではないかという批判にたいして、出版社は「成功したという感謝の手紙がたくさん寄せられています」、と胸を張って答えているでしょう。

  なんの不思議もありません。やる気にさえなれば、おのずと食事を減らすでしょう。きっかけにさえなれば何でもよいのです。極端なことをいえば、「星空を見るダイエット」でも、「犬と遊ぶダイエット」でも、最初は、どんな方法でも成功できるのです。

  しかし、問題は「体重が落ちなくなった時にどうするか」、「関所にぶつかった時に、それを乗り越える方法を知っているか」ということです。知らなければ、時間の問題で元に戻ります。

  苦しい思いで食欲と戦っても、少しも体重が減らない。最初は、あまり努力もしないで簡単にどんどん減っただけにこたえます。嫌になって、一度食べ出すともう止まらない。自己嫌悪に捕らわれる。もうどうでもよいという気持ちになります。

  しばらくすると冷静さを取り戻し、また新しいダイエットの方法に取り組む。同じように最初は成功するが、また関所にぶつかる。この繰り返しで、青春や人生が終わります。


ファースティング(絶食療法)による体重減少

  今までお話ししたことを、もっとはっきり分かっていただくために、163kgの男性に、15日間のファースティング(絶食療法)を行った実例を見ますと、最初の数日間、体重は一日に1.5kgから2kgと大きく減少します。しかし、体重減少は4日以降は急激に少なくなり、しだいに一日に300gとか400gになります。

  この最初の大きく減少する第一の原因は脱水です。ファースティング中は、食塩もほとんどと摂取しません。口から食塩は入りませんが、尿には食塩が排出されます。この食塩が水とくっついてでていくので脱水になるのです。

  しかし、3,4日経つと電解質ホルモンが大量に分泌され、尿中の食塩をほとんど全部再吸収するので、それ以上脱水は起こりません。

  普段の生活でも、絶食に近い状態になると、大幅に体重が落ちますが、脱水によるものですから、喜んで少しぐらい食べても大丈夫だと思って食べると、かえって肥満の原因になりますよ。

  さらにファースティングが進むと、甲状腺ホルモンの活性が落ちてきます。甲状腺ホルモンは基礎代謝といって、一日の必要カロリーをコントロールしているものです。これが低下すると、必要カロリーが少なくなるので体重は下がらなくなります。自動車の排気量と考えればいいですね。2000CCの車が1600CCになるようなものです。

  もっと長期になると、脳細胞が脂肪を食べれるようになります。最初、脳細胞は糖質しか食べません。身体には糖分は半日分しか蓄えられていません。その後は、筋肉をこわして体内で糖を造って脳細胞に送ります。しかし、長期になると脂肪からできるケトン体というものを食べるようになります。

  脂肪1gからは9Kcal、タンパク質1gからは4Kcal発生しますから、脂肪を食べだすと体重は減らなくなります。普通の低カロリー食ではここまでの適応は起こらないでしょうが、素晴らしい適応です。これら素晴らしい適応能力がありますので、低カロリーにしても、体重はなかなか減らないのです。



 2.簡単に減量は出来ない

  たとえ、関所があっても、一度のダイエットで、10kgも20kgも減量できるのなら、問題は起こりません。ダイエットに失敗する次の原因は、簡単に大きく減量できると思っていることです。このことを、徹底的に医学的に理解してください。

  すぐに、10Kgも20Kgも痩せようと意気込む方も多いですが、そんな簡単にはいきません。
おなかの回りの脂肪10Kgというのは実に1ケ月分のエネルギーに相当します

  20Kgあると、実に2ケ月分です。60日間も水だけで過ごさないと減らない量なのです。たとえば、どこかへ旅行をして遭難したと想像してください。食べ物がなくて水だけで生き延びていた。2か月たって救助されたときに、やっと標準体重に戻っていた。

  1か月で救助されたら、早すぎるという笑い話しになります。20Kgの肥満というのは、それほどのエネルギーの蓄えなのです。

  いろいろな計算がありますが、一番簡単なのをご紹介しましょう。体重202Kgの男性が絶食して87Kgまで落ちました。これは恐らく世界で一番長いファースティング(絶食療法)の記録になると思いますが、202Kgから87Kgまで約120Kgです。さて何日間ファースティングをしたのでしょうか?

  正解は382日間で実に1年間です。120Kgを12ケ月かけて落しました。大体10Kgを1か月でという計算です。これはイギリスのダンディ大学で行なわれた臨床実験です。これはもう確かに実験ですね。決してまねをしないでください。生命の危険があります。安全を考えると、医学管理の下でも10日程度にしておくべきでしょう

  しかし、いざとなれば小錦さんぐらい体重があると1年間は失業しても水だけで生きられる。最近の小錦さんはもっと体重があるそうですから、1年では足りないかもしれません。そのくらいエネルギーの貯蔵は多いということです。あるいは、おなかの回りの脂肪10Kgは、水分が30%で、正味の脂肪は70%とすると、7Kgの脂肪になります。

  脂肪は1gが9Kcalですから、6万3千Kcalあることになります。一日に2千Kcal消費するとすれば、約30日分です。やはり10Kgは、1か月分ですね。

  よく、新聞で奇跡の生還という見出しが使われますが、決して奇跡ではないのですね。水があり、寒くなければ、そして不安がなければ、人間はいざとなれば随分生きれます。逆に、減量はいかに難しいかということです


  人間や動物は飢餓の時代を生き延びてきています。地球は今までずっと飢餓の時代だったのです。飽食の時代は初めてなので適応していません。食事でとった余分なカロリーは、脂肪は勿論ですが、糖質であれ、タンパク質であれ、みんな脂肪として蓄えます。

  当施設の7日間のファースティング(絶食療法)と8日間の復食のデータを見ると、減量の程度は体重の多い人は大きく、少ない人は小さくなりますが、それにしても、16日間かけて最初の体重の7%程度なのです。

  普通に食事をしながらのダイエットでは、減量も微々たるものです。先程の計算では、毎日の食事を300Kcal程度減らしても、10Kg減量するには7か月はかかることになります。簡単には落ちないということを徹底的にご理解頂かないといけません。



 3.食品のカロリーを覚える

  3番目は、食品のカロリーを覚えるということですが、最近は随分たくさんの本が出ています。きれいなカラーでわかりやすく工夫されています。この点については、わたしから余りお話しする必要はないでしょう。ここでは、2,3の点についてのみお話しします。

(食品の一覧表)
  まず第一は、自分の食べている食品の一覧表を作り、そのカロリーを記入する。これは、思い違いを発見するためです。

  「こんなものはカロリーはない」と思ってるものが、以外にカロリーがある。そういう思い違いをしている限りはいくら努力しても成功しません。

  例えば夏ですと大きな瓶でオレンジジュースを飲んでいる人がいます。最近は、カロリーの表示があるものもあり、さすがにカロリーが0と思う人はいないでしょうが、1本飲めば400から500Kcalにもなってしまうのに、以前は水と同じだと思っていた人もいました。

  それから、女の人ですと調理してる時に味見しておられますね。結構、この味見のカロリーが計算から抜けていることがあります。これまた最近は大家族はないでしょうが、家族が多いと朝から晩までお料理しているようなものですから、味見だけで十分なカロリーになってしまいます。

  そのような思い違いとか見落としをしていないかどうかを徹底的にチェックしていく。自分が食べている物を全部書きあげて、リストを作って頂きます。空気以外は水も含めて全部あげて下さい。

  そして、カロリーガイドブックを参考にしながら、それに対してカロリーをつけていく。一度この作業をして下さい。そうすると見落としがなくなります。これだけでもう大変な前進です。

(重さを計る)
  カロリーガイドブックを見て覚えて行くことで、うまくいかなかった場合はどうしましょうか? その場合は、重さを実際に計って見ましょう。小さなはかりが発売されています。このはかりの良い点は、小さいので持ち運びが簡単でどこへでももっていける点と、お皿を上に乗せてボタンを押すと0になることです。

  たとえば、にぎりずしの皿を上に乗せてボタンを押し、表示を0にする。ネタの魚をお箸でつまんであげると−15gとでるので、このネタは15gだと分かる。あるいは、サラダの皿を上に乗せ、トマトを食べると−10gとなるので、今食べたトマトは10gだったと分かる。

  そこでボタンを押すともた0になるので、次はアスパラガスを食べる。すると−5gとなり、このアスパラガスは5gだったとわかる。このように、次から次へと食べていくごとに、重さが分かるので大変おもしろいです。

  重さが分かると、日本食品標準成分分析表で調べて見ましょう。これは、約1600の食品の成分が載っています。その食品の100gでカロリーがいくらというようにでていますので、はかった重さが15gだつたら、0.15をかければカロリーが分かります。ビタミンや食塩の量もでていますので、ついでに見ておくと大変勉強になります。

  なぜこの方法が良いかと言いますと、いちいち記憶する必要がないことです。覚えるのがめんどうで嫌いだという方がおられるでしょう。しかし、この方法であれば、重さをはかって調べるだけです。自然と覚えられます。

  それから、これが本当の目的ですが、カロリーガイドブックだけではすぐに限界を感じだすということです。本のスパゲッティミートソースと、実際にレストランで注文したものとを比べると、盛り付けが大分違う。本にある盛り付けより2割増しかな、いや3割増しかな、というような修正をしなければならない。

  この曖昧いさがあるので、ガイドブックだけだとだんだん嫌になってきます。いつも、何割ましかな、何割減かなと考えなければならないので、前に進めなくなります。カロリーの勉強は、最初の間はガイドブックで十分ですが、それが出来るようになったら、やはり実際に計って、成分表を見て正確に出してみるほうがいいですね。


(がん・突然死の予防食)
  それからダイエットということで、カロリーだけで考えてしまうことが多いですね。カロリーだけを考えて食事量を減らすと、栄養成分のバランスが壊れます。いろいろな副作用が起こってきます。

  大量に食べていたときは、多少バランスが壊れていても、全体の量が多いので、必要量を下回ることはないでしょう。しかし、食事の量を少なくすれば、極端にバランスが崩れます。
そのようなことにならないためには、以下の、がん・突然死の予防食をお勧めします。同時にがん、脳卒中、心筋梗塞が妨げる食事です。

 1.カロリーを減らす
 2.脂肪を徹底的に減らす
 3.食塩も減らす
 4.緑黄色野菜と果物を増やす
 5.海草やきのこを増やす
 6.お酒は、日本酒ならお銚子で1本まで


  簡単です。まず、第一は、カロリーを減らすことです。しかし、幸いなことにこの食事は結果として低カロリー食になりますので好都合です。。第二は、脂肪を徹底的に減らしてください。あまりすくなくなれば皮膚もかさかさになるのではと心配する人もいますが、現在の食事が多すぎるのですから、精一杯減らしても大丈夫です。

  塩も減らしましょう。逆に増やすものは、今話題のβーカロチンをたっぷり含んだ緑黄色野菜とビタミンCの果物です。ビタミンCは熱で壊れますので、ビタミンCも緑黄色野菜からとろうとすると、調理が制限されて難しくなります。

  ビタミンCは果物で取る。βーカロチンは熱に強いので緑黄色野菜を煮たり炊いたりしてとる、と考えれば調理がしやすいですね。

  その他、キノコ、海草なども食べましょうということで、この予防食は、殆どセミ・ベジタリアンのような食事です。ただ、ベジタリアンというと生の野菜をバリバリ食べるのを想像されますが、生では大量には食べられませんし、へたをすると胃腸を壊すだけでしょう。その点、日本料理は炊いたり煮たりと、調理法が大変優れていますね。

  この食事が、まさにダイエット食だというのは、考えていただければ分かるでしょう。脂肪を食べれば1gが9Kcal、蛋白質とか炭水化物であれば1gが4Kcal、繊維であれば0です。

  カロリーの最も高い脂肪を極力減らし、繊維を多く含んでいる物、つまり野菜だとか果物だとか海藻だとかきのこ類を食べれば、少々食べてもカロリーが上がるはずがありません。バターとか、マヨネーズとか、油をたくさん使った物を食べれば、少し食べただけでもカロリーはうなぎ登りに上がってきます。



 4.運動による消費エネルギーはごく僅か

  運動は健康のためには必要ですが、減量にはあまり役立たないということを充分知って下さい。

  野球の投手が1回から9回まで完投しても、スパゲッティミートソース一杯分です。5回でノックアウトされたら、半分しか食べられません。42Kmあまりのフルマラソンを走っても消費エネルギーは大体2500Kcal。おなかの脂肪に直したら400g位のものです。

  だから我々が少し歩いたり、二階まで上がったりしたのでは、殆どエネルギーの消費にはなっていません。

  だいぶ以前ですが、女子マラソンで、増田明美さんとか、松野さんとかがおられましたね。小さな体で一生懸命走るので人気がありましたが、40kmあまりを走って競技場にたどり着いたときには、骨と皮だけになっていたということはなかったですね。

  昔、人類が狩猟民族であったころ、槍をもって鹿を追って走っているうちに、みるみる痩せて骸骨になってしまっていれば、人類は滅亡していました。現在の私たちは存在していなかったはずです。人間も含めて動物は、運動にたいしては非常に効率良くできています。

  ごくわずかなカロリーで、たくさんの運動ができるようにできているのです。これは、食事のところでも説明したように、飢餓の時代を生き延びて来た素晴らしい適応能力なのです

  運動の消費エネルギーがいかに少ないかを確認するには、カロリーカウターがいいですね。万歩計ですと、すぐ何千という数が出ますので、いかにも運動したという錯覚に陥ります。万歩計ではなくて、カロリーを出してくれるものがよろしいです。

  カロリーカウンターで測ってみると、実に微々たるものです。160Kcal、つまりおまんじゅう1個分を運動で消費することがどれだけ大変なことかがよく分かります。

  しかし、運動による消費が、大変役立つこともあります。どう努力しても、もう体重が下がらない関所にぶつかった時です。例えば、1600Kcalしか食べていないのに体重が下がらない時には、運動による100Kcalの消費は意味があります。

  食事で100Kcal、運動で100Kcalの計200Kcal減らすことが出来たら、その関所を突破することが出来きます。

  ダイエットの最初の時点では、運動はあまり意味がないですが、成功すれば成功するほど、もう食事でカロリーを減らせない、身体も低カロリーになれて省エネタイプになってきた、こういう時には、運動による効果が出てきます。関所に達する頃までに何か運動が出来るように考えておくといいですね。



 5.体重を測る

  5番目は、毎日体重を測るということです。当然のことですが、以外と難しいというか、誤解があります。

(体重計)
  まず、体重計ですが、100g目盛りのデジタル表示の体重計を使ってください。普通のヘルスメーターは、500g目盛りのものが多いですが、体重はそんなに大きく増減しないので、これでは日々の増減を見るには不適です。また、針で体重を指すものは大変見にくいので、デジタルがよろしいです。

(むくみと脱水)
  6000Kcalから7000Kcalで体重1Kgと考えられていますので、1Kg体重が増えるということは、普通に食事をした上にケーキを20個も食べたことになります。

  また、1Kg減るということは、まる一日絶食してもマイナス2500Kcal程度、フルマラソンをしてさらにマイナス2500Kcal、合計でマイナス5000Kcalです。実際にこんなことをすれば、たちまち生命の危険が迫りますが、たとえ話しとして、まる一日絶食して42Km以上走っても、1Kgの減量は無理なのです。

  一日に1Kgも2Kgも減ったり増えたりするのは、水の動きです。脱水であり、むくみです。特に女の方は注意して下さい。女性ホルモンの関係でしょうか、むくみやすいので、すぐ1Kgや2Kg減ったり増えたりします。正味の体重がそんなに動くはずがありません。一喜一憂なさらないようにして下さいね。

(正しい計り方)
  とにかく、100gのデジタルメモリの体重計で計ってください。正しい計り方は朝起きて、水を飲む前に計る。水を飲んでしまえばその分だけ重くなります。コップ1杯の水は約180gですから、それだけ重くなります。

  それから出すべきものは出す。膀胱にいっぱい尿が溜っていれば400g程度は溜りますので、それだけ重くなります。服装も同じ格好で計ってください。これが正しい計り方です。

  ビールを何本も飲んで、たくさんごはんも食べて、そのあとで体重計に載らないでください。ビールの箱を抱いて、炊飯器を背中に背負って体重計に載るのと同じですから、重いのが当り前です。

  「太ってしまった」と早合点して、「私はやっぱり駄目だ」とやけぐいしたら、食べた分だけは肥満になります。

  それから運動したあとも載らないで下さい。1kg減っても、2kg減っても、脱水です。サウナに入ったあとも同じです。運動をしてもなかなかエネルギーは消費しないのに、 座っているだけで消費するはずはありません。

  減った体重は全部脱水です。それからエステティックサロンも、その類いは、みな脱水です。水を飲めばすぐに戻ります。

  また、絶食に近いことをすると、体重が大きく落ちますが、これは先程説明したように脱水ですので、ここで安心して食べると逆に肥満の原因になります。

  この脱水は、高齢の方の場合はこわいですね。動脈硬化がありますので、脱水すると血液が濃縮されて固まりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞を起こすこともあるので注意が要ります


  それから、友達の家の体重計にも乗らないで下さい。大抵は、ヘルス メーターですから長年使っているうちには、多少狂っていることが多いです。減っていると喜んでおもいっきりご馳走になれば、家に帰ってから後悔することになります。

(グラフにする)
  体重を計ったら、それをグラフにするとなお良いですね。特に、長期戦でかなりの減量をしなければならない方は、是非これをして下さい。数字で覚えているのと、グラフにするのとではかなり違います。

  グラフはパターン認識ですので、現在上昇傾向にあるのか、低下傾向にあるのか、はるかに理解しやすいですね。そのグラフに医学的なデータは勿論、いろいろな出来事も書き込んでおくと大変便利です。

  実は、この日々の出来事が非常に大事です。うまく行く時、行かない時、この出来事との関係を考えてみると、なぜうまく行かないのか、その理由が見えてくるからです。その理由こそが、本当の問題であり、このクリニックの目的です。


(増えてきても乗り続ける)
  さて、この体重を計ることで、最も重要といっても良いことは、体重が増えてきた時も計り続けるということです。

  減っている時は計れます。ところが、増えてくると体重計に載るのが嫌になる。嫌になって載らなくなつたら、そのあとは、もうどんどん増える一方になってしまう。はっと気が付いたときは、5kgも戻っていた。もうどうなってもいいやと思って食べたので、10kg戻ってしまったということにもなりかねません。

  ですから、体重が増えてきても淡々と載り続ける、これが体重を計ることの実は最も重要なポイントです。



 6.個人差が大きいことを知る

  それから6番目は、個人差です。車に例えれば、排気量の大きい方と消エネの方がある。当施設でみていても、体重の落ち方は大きい方とちいさん方では、最も大きな場合は2倍ぐらい違って来ます。

  だから同じ様に1800Kcal食べても、消エネタイプの方では2400Kcal食べたことになるだろうし、排気量の大きい方ですと1200Kcal位しか食べてないということになります。

(必要カロリー)
  栄養士が計算して出す必要カロリーは、あくまでも平均の人に対するカロリーです。自分にとっての必要カロリーは、体重のグラフをつけて判断して下さい。

  体重を減らさなくてはならない人にとっては、いくら頑張っていると言っても体重のグラフが横這になっているかぎりは絶対減りません。指示された必要カロリーをとっているといっても、あなたにとっては多いのです。

  また、体重が非常に多い方の場合、最初から計算された必要カロリーにする必要はありません。4000kcalも食べていた人が、急に1600kcalにすることは、実際問題として無理でしょう。長続きはしません。

  最初は食事の量を2割ていど減らせば、体重は減ります。そして、グラフをみながら、さらに少しずつ減らせばいいのです。

  一人一人の必要カロリーと消費エネルギーを医学的に出すことは、不可能ではありませんが、膨大な手間と時間がかかります。実際的には困難ですし、そんな必要もありません。問題は体重ですから、正しく測り、グラフをつければ簡単に分かります。これが一番いい方法です。



 7.メディカルチェック

  それから7番目は、メディカルチェックです。

  ダイエットは成功すればするほど副作用がでやすくなります。あんまり問題にならないのは、殆どの方が失敗しているから深刻な副作用に至らないだけです。

  一気に10Kgも、15Kgも落ちれば、いろいろ出ます。中でも一番怖いのは、心室性の期外収縮、つまり不整脈です。これはかなり怖いですね。

  絶食の状態では、交感神経の活発化、血液中の遊離脂肪酸の上昇、電解質バランスの崩れが起こります。これらはすべて、不整脈を誘発するものばかりです。

  ダイエットではこのような極端な状態にはならないと安心しないでください。早朝は前の晩からなにも食べていないので、絶食に近い状態になっています。

  一晩ぐらいと思われるでしょうが、ファースティングでも最初が最も不安定なのです。数日経てば安定期に入りますので、一晩ぐらいと軽く考えないでください。特に、ダイエット中の早朝ジョギングはしないでください。運動は、さらに交感神経を活性化して、不整脈を誘発します。

  また、風邪を引いたりしたときも中止してください。発熱があるので脱水しますから、体重がさらに減ったなどと喜んではおれません。簡単ですので、自分で脈をとれるようになりましょう。

  そのほかにも、いろいろな異常がでる可能性がありますので、定期的に検査を受けてください。特に、体重が減少しているときは重要です。



 8.きっかけをたくさん

  最後は、きっかけです。
  3日坊主を1年間に100回する気持ちで、たくさんきっかけを作って下さい。食べる機会はたくさんあります。なかには、一人だけうまく成功すると、それだけ頑張ったのだからケーキの一つぐらいはいいんじゃないと足を引っ張る悪友もいます。

  それらに打ち勝つには、それ以上の機会を持たなければなりません。このきっかけというのは非常に大事ですね。



 9.本当の解決方法へ

  正しい知識を持っていただくだけで、ダイエットに成功されたなら、それで万歳万歳です。ただ、2万人もの方々を指導してきて、間違った知識や全くといって良いほど知識を持っていない方がおられるということは問題ですが、正しい知識を持たれても成功しない方が多いのには愕然とします。

  正しい知識は、当然必要ですが、それと実行できるということとは全く違うことだというのが私の実感です。実行できなければ、意味がありません。正しい知識を持つということと、実行できるということは全く違うことなのです。

  知識を得る方法と、実行できる方法とは、別々に学ばなければならないのです。別々に学ばなければならないのに、知識さえあればできると考えていたことが、最大の誤りだと思います

  リバウンドを繰り返していたのでは、元の木阿弥ではなくて、「また、できなかった。やはり、駄目だった」ということで、精神的な後遺症になっていきます。

  本当の解決方法が必要です。それは、正しい知識を持つと同時に、実行力を高めることです。
  実行力を高めるために、心身相関の理解、心身相関を高める体得の方法として、ファースティング(医学的絶食療法)と丹田呼吸法、ストレスの原因を特定するための性格分析、自分の存在価値を医学的事実で得る方法を、指導しているのです。

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